健診で「血圧が高め」と言われたら、まず読んでほしいこと
健康診断で「血圧が高め」と書かれていると、気になるものです。ただ、健診の血圧は慣れない場所で1回だけ測った値であることが多く、その1回で高血圧と決まるわけではありません。まず何を確認し、どこから受診を考えればよいのかを整理します。
まず結論:1回の数値で決めず、家庭血圧を記録する
血圧は、時間帯・気温・緊張の度合いなどによって1日のなかでも変動します。医療機関で測ると高く出るという方もいます。そのため、いま必要なのは自宅で毎日測って記録することです。1〜2週間分の記録があれば、受診時の判断材料になります。
- 家庭用の上腕式血圧計を用意し、測る時間帯を決める
- 朝と晩に測り、日付・時刻・上下の値・脈拍をメモする
- 高い値だけを選ばず、すべて記録する
- 受診の際は記録をそのままお持ちいただく
血圧の一般的な基準値
血圧には広く使われている分類の目安があります。健診で「高め」とされるのは、高血圧の基準には達していないものの、正常域より高い範囲を指すことが多いです。
| 分類 | 診察室で測った血圧 | 家庭で測った血圧 |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満/80未満 | 115未満/75未満 |
| 高値血圧 | 130〜139/80〜89 | 125〜134/75〜84 |
| 高血圧 | 140以上/90以上 | 135以上/85以上 |
家庭血圧の基準が診察室より低く設定されているのは、家庭で測ったほうが日常の状態に近い値になりやすいためです。両方の値がそろうと、より判断しやすくなります。
家庭血圧の測り方
測り方が変わると値も変わります。条件をそろえることが大切です。
測るタイミング
朝は起きてから1時間以内、トイレを済ませ、朝食と服薬の前に測ります。晩は就寝前が目安です。それぞれ2回測って両方を記録するか、平均を記録します。運動・入浴・飲酒の直後、コーヒーを飲んだ直後は避けてください。
測るときの姿勢と注意点
いすに背もたれをつけて座り、1〜2分ほど落ち着いてから測ります。カフ(腕帯)の位置は心臓の高さに合わせ、腕は机の上に置きます。厚い衣類の上から巻くと正しく測れません。値が普段と大きく違うときは、少し休んでから測り直してください。
生活習慣で見直せること
血圧には生活習慣が関わります。すべてを一度に変える必要はありません。続けられそうなものから始めるのが現実的です。
減塩と食事
塩分を控えることは、血圧対策の中心になります。汁物を1日1杯までにする、麺類のスープを飲み切らない、漬物や加工食品の量を見直す、といった具体的な行動に落とすと続きやすくなります。野菜や果物、魚を意識してとることも勧められています。ただし腎臓の病気などで制限がある場合は、自己判断せず医師にご相談ください。
体重と運動
体重が増えると血圧も上がりやすくなります。まずは体重を毎日測り、増減の傾向を把握します。運動はウォーキングのような有酸素運動を、無理のない範囲で習慣にすることが勧められています。持病がある方や、これまで運動習慣がなかった方は、始める前にご相談ください。
飲酒と睡眠
飲酒量が多いと血圧が上がりやすくなります。休肝日を設けるなど、量と頻度の両方を見直します。睡眠不足やいびきが強い場合も血圧に影響することがあり、日中の強い眠気があるときは相談の対象になります。喫煙は血管への負担につながるため、あわせて見直したい点です。
受診を考えたい目安
次のような場合は、早めのご相談で対応しやすくなります。
- 家庭血圧の平均が135/85mmHg以上で続いている
- 健診で高血圧の基準に該当し、受診を勧める記載がある
- 糖尿病・脂質異常症・腎臓の病気などで治療中である
- 頭痛・めまい・胸の圧迫感・動悸などの症状がある
強い頭痛や胸の痛み、手足の力が入らない、言葉が出にくいといった症状があるときは、様子をみずにすぐ医療機関を受診してください。
当院での対応
当院では内科で高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の継続管理を行っています。家庭血圧の記録をお持ちいただければ、それをもとに現在の状態を確認し、生活習慣の見直し方や検査の必要性についてご説明します。必要に応じて、超音波検査や血液検査、血管年齢測定などをご案内します。
診療時間は午前9:00〜11:30(水曜・土曜は9:00〜12:30)、午後14:00〜17:30で、水曜午後・土曜午後・日曜・祝日は休診です。くわしくは内科のページ、健康診断のページ、検査・設備のページをご覧ください。はじめて受診される方は初めての方へもご確認ください。
この記事は一般的な医学情報をお伝えするものです。目標とする血圧の値は、年齢や持病によって一人ひとり異なります。記事の内容だけで判断せず、当院またはかかりつけの医療機関にご相談ください。予防接種の時期についてはインフルエンザ予防接種、受けるベストな時期はいつ?もあわせてご覧ください。
参考文献
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」 https://www.jpnsh.jp/guideline.html
- 日本高血圧学会「高血圧の話 10の真実」 https://www.jpnsh.jp/10_facts.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html
※ガイドライン・制度の改訂により内容が変更される場合があります。最新の情報は各機関の公表資料でご確認ください。
本記事について
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたもので、個々の診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針についてはご本人の状態により異なりますので、必ず医師にご相談ください。
医療法人 新治診療所 院長。日本消化器病学会 専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医。茨城県土浦市下坂田で、内科・小児科・胃腸科の診療にあたっています。わかりやすい説明を心がけ、地域のかかりつけ医として健康維持をお手伝いしています。
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