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内科・生活習慣病

糖尿病と食事。何をどれだけ食べるか

公開日: 更新日: 監修:院長 杉浦 敏昭
主食・主菜・副菜がそろった一人分の食事
写真はイメージです。実装時は具体的な alt テキストを付与します。

糖尿病と言われて食事の話になると、「何を食べてはいけないのか」が気になるものです。ただ実際の食事療法は、禁止食品を覚えることではなく、量を決めてから内容を整えていく作業です。ここでは考え方の順序を整理します。

まず結論:量を決めてから、内容を整える

食事療法は、次の順で考えると迷いにくくなります。

  • 1日にとるエネルギー量の目安を決める
  • その中で炭水化物・たんぱく質・脂質の比率を整える
  • 食べる順番や時間帯などの食べ方を工夫する
  • 運動と組み合わせる

特定の食品を完全に禁止する必要はありません。量と頻度を調整することが基本です。ただし腎臓の病気などで別の制限がある場合は考え方が変わりますので、自己判断せず医師にご相談ください。

1日にどれだけ食べるかを求める

糖尿病情報センターでは、1日のエネルギー摂取量を「目標体重 × エネルギー係数」で求める方法が示されています。

目標体重を計算する

目標体重は身長から求めます。年齢によって係数が変わります。

※目標体重の目安。65歳以上ではフレイル(虚弱)や生活の状況をふまえて幅をもって考えます。
年齢目標体重の目安
65歳未満身長(m)× 身長(m)× 22
65〜74歳身長(m)× 身長(m)× 22〜25
75歳以上身長(m)× 身長(m)× 22〜25

たとえば身長165cmで65歳未満の方なら、1.65×1.65×22で約60kgが目標体重の目安になります。

身体活動量を掛ける

次に、日ごろの体の動かし方に応じたエネルギー係数を掛けます。

※エネルギー係数(kcal/kg 目標体重)。実際の指示量は体重の変化や合併症の状況をふまえて調整されます。
身体活動レベル目安エネルギー係数
軽い労作大部分が座っている生活25〜30
普通の労作通勤・家事、軽い運動を含む30〜35
重い労作力仕事、活発な運動習慣がある35〜

先の例(目標体重60kg)で軽い労作なら、1日1,500〜1,800kcal程度が目安になります。あくまで出発点の数字で、その後の体重や血糖の動きを見ながら調整していきます。

何を食べるか。栄養素の比率

決めたエネルギー量の中で、栄養素の比率を整えます。糖尿病情報センターでは、炭水化物は摂取エネルギーの40〜60%、たんぱく質は20%まで、脂質は20〜30%という目安が示されています。この比率や算出方法は、ガイドラインの改訂により変更される場合があります。

比率を意識するといっても、毎食計算する必要はありません。実際には主食・主菜・副菜をそろえることで、おおよその形が整います。主食(ごはん・パン・麺)の量を決め、主菜(肉・魚・卵・大豆製品)は手のひら大を目安にし、副菜(野菜・きのこ・海藻)を2品加える、という組み立てが分かりやすいでしょう。

脂質は同じ量でもエネルギーが高くなります。揚げ物の頻度、炒め物の油の量、脂身の多い肉の選び方は、量の調整がしやすい部分です。

食べ方でできる工夫

同じ内容でも、食べ方によって食後の血糖の上がり方は変わります。取り組みやすい工夫をいくつか挙げます。

  • 1日3食を決まった時間にとり、まとめ食いを避ける
  • 野菜やたんぱく質のおかずから食べ始める
  • よく噛み、20分以上かけて食べる
  • 夜遅い時間の食事を控える
  • 食物繊維の多い食品(野菜・きのこ・海藻・豆・玄米など)を毎食入れる

朝食を抜くと昼と夜の量が増えやすくなります。3食に分けるほうが、量の管理はしやすくなります。

お酒・間食・清涼飲料の扱い

アルコールはエネルギーがあるうえ、食欲を刺激して食べる量が増えやすくなります。飲む量と頻度を決め、休肝日を設けるのが現実的です。薬で治療している方は、飲酒によって低血糖が起こりやすくなる場合があるため、事前にご相談ください。

清涼飲料やスポーツドリンクは、ブドウ糖や果糖が液体の形で入っているため血糖が上がりやすくなります。日常の水分は水やお茶を基本にするとよいでしょう。間食は完全にやめる必要はありませんが、時間と量を決め、食事の量から差し引いて考えます。

運動と組み合わせる

食事と運動は組み合わせるほど効果が期待できるとされています。厚生労働省 e-ヘルスネットでは、糖尿病の運動療法として次の目安が示されています。

  • 有酸素運動は週150分以上、週3回以上。1回20分以上の持続が望ましい
  • 運動を行わない日が2日以上続かないようにする
  • 強度は3メッツを目安に始め、慣れたら4〜6メッツへ
  • レジスタンス運動(筋力トレーニング)は連続しない日程で週2〜3回
  • 食後1時間後に行うと、食後の高血糖の改善が期待できる

ただし、血糖のコントロールがついていない場合、空腹時血糖が250mg/dL以上の場合、尿ケトン体が陽性の場合は注意が必要です。インスリンや飲み薬で治療中の方は低血糖にも配慮が必要ですので、運動を始める前に必ずご相談ください。

当院での対応

当院では内科で糖尿病の継続管理を行っています。食事の記録や体重の推移をお持ちいただければ、いまの食べ方のどこを調整できるかを一緒に確認します。数字の目標だけをお伝えするのではなく、続けられる形に落とすことを大切にしています。

診療時間は午前9:00〜11:30(水曜・土曜は9:00〜12:30)、午後14:00〜17:30で、水曜午後・土曜午後・日曜・祝日は休診です。くわしくは内科のページ、健康診断のページをご覧ください。はじめて受診される方は初めての方へもご確認ください。数値の意味は糖尿病の初期症状とHbA1c。健診結果の見方で解説しています。

参考文献

  • 糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし(基本編)」
    https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/020/02-1.html
  • 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第2章 糖尿病治療の目標と指針
    https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/02.pdf
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-002.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病を改善するための運動」
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-05-005.html
本記事の数値・基準は上記資料の記載に基づいています(最終確認:2026年7月)。診断基準・目標値はガイドラインの改訂により変更される場合があります。現時点の情報は各資料および診察時にご確認ください。

この記事は一般的な医学情報をお伝えするものであり、診断・治療の代替となるものではありません。検査値の意味づけや目標とする数値、必要な治療は、年齢・持病・体質によって一人ひとり異なります。記事の内容だけで判断せず、当院またはかかりつけの医療機関にご相談ください。

院長 杉浦 敏昭
Supervisor 監修:院長 杉浦 敏昭

医療法人 新治診療所 院長。日本消化器病学会 専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医。茨城県土浦市下坂田で、内科・小児科・胃腸科の診療にあたっています。わかりやすい説明を心がけ、地域のかかりつけ医として健康維持をお手伝いしています。

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