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内科・生活習慣病

骨粗鬆症。骨密度と、骨を守る生活

公開日: 更新日: 監修:院長 杉浦 敏昭
骨密度検査の結果票と牛乳・小魚・小松菜、ウォーキングシューズ
写真はイメージです。実装時は具体的な alt テキストを付与します。

骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる状態です。骨がもろくなること自体に痛みはなく、多くの場合、骨折して初めて気づきます。背骨や太ももの骨の骨折は、その後の生活に大きく影響することがあります。ここでは、骨密度の見方と、日常でできることを整理します。

まず結論:目的は「骨折を防ぐこと」

骨粗鬆症で大切なのは、骨密度の数値そのものではなく、骨折を防げるかどうかです。数値が低くても、転ばない工夫と適切な対応で骨折を避けられる可能性は高まります。逆に、数値が基準に届いていなくても、骨折の経験がある場合は注意が必要です。

  • 身長が若い頃より縮んでいないか確認する(背骨の骨折のサインになることがあります)
  • 軽くぶつけた・転んだ程度で骨折した経験があれば必ず伝える
  • ステロイド薬を長く使っている場合、他の病気で治療中の場合は伝える

骨粗鬆症とはどういう状態か

骨は、こわして新しくつくる作業(骨代謝)を繰り返しています。厚生労働省 e-ヘルスネットでは、骨粗鬆症は「骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなった状態」と説明されています。

加齢とともに骨量は減りますが、女性では閉経の前後に減り方が大きくなります。他の病気やお薬が原因で骨がもろくなる場合(続発性骨粗鬆症)もあります。

骨密度とYAM(若年成人平均値)

骨密度は、若い成人の平均値を100%としたときに何%にあたるかで表されます。この基準値をYAM(Young Adult Mean:若年成人平均値)といいます。「70%」「80%」といった数字は、この若い成人の平均値に対する割合です。

YAMの基準となる年齢は測定部位によって異なり、腰椎では20〜44歳、大腿骨近位部では20〜29歳の平均値が用いられます。年齢が近い人の平均と比べた値(同年齢比)とは別のものですので、どちらの数値なのかを確かめてください。

測定する部位

測定部位の第一選択は、腰椎(L1〜L4またはL2〜L4)と大腿骨近位部(頸部またはtotal hip)です。測定が難しい場合は橈骨(前腕の骨)や第二中手骨で代用しますが、その場合は%のみを使用します。複数の部位を測ったときは、より低い値を採用します。

原発性骨粗鬆症の診断基準

他に骨量が低くなる病気や、続発性骨粗鬆症の原因が認められないことを確認したうえで、次のように診断されます。脆弱性骨折(弱い力で起きた骨折)があるかどうかで考え方が分かれます。

※原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)。低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患、または続発性骨粗鬆症の原因を認めないことが前提です。診断基準やガイドラインは改訂されるため、最新の内容は日本骨粗鬆症学会等でご確認ください。
脆弱性骨折骨粗鬆症と診断される場合
ある椎体骨折または大腿骨近位部骨折がある場合/その他の脆弱性骨折があり、骨密度がYAMの80%未満の場合
ない骨密度がYAMの70%以下、または−2.5SD以下の場合

背骨や太ももの付け根の骨折がある場合は、骨密度の数値によらず診断されるという点が重要です。「骨折したことがある」という情報が、数値以上に判断を左右することがあります。

骨粗鬆症検診の対象

市町村が行う健康増進事業として、骨粗鬆症検診が実施されています。厚生労働省の健康増進事業実施要領では、対象は「当該市町村の区域内に居住地を有する40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳及び70歳の女性」とされています。

検診項目は問診と骨量測定です。問診では運動習慣や食生活の内容などを聴取し、骨量測定はCXD法、DIP法、SXA法、DXA法、pQCT法または超音波法等により実施されます。原則として同一の方について年1回行われ、結果は「異常なし」「要指導」「要精検」に区分されて通知されます。

対象年齢や実施内容、費用は市町村によって異なり、制度改正により変更される場合があります。土浦市での実施内容は市の案内をご確認ください。

骨を守る生活

骨密度の数値を大きく変えることは簡単ではありませんが、食事・運動・転倒予防は、いずれも取り組める部分です。

食事

カルシウムは骨の材料になります。厚生労働省 e-ヘルスネットでは、日本人の食事摂取基準における1日あたりのカルシウムの推奨量を、成人男性で750mg(18〜29歳は800mg)、成人女性で650mg(75歳以上は600mg)と紹介しています。カルシウムは牛乳・乳製品や小魚等に多く含まれます。

あわせて、骨粗鬆症の危険因子としてビタミンD不足や食塩の過剰摂取が挙げられています。カルシウムだけを大量に摂ればよいというものではなく、ビタミンD・ビタミンKを含む食品も含めた全体のバランスが大切です。サプリメントの利用を考えている場合は受診時にご相談ください。

運動

厚生労働省 e-ヘルスネットでは、骨粗鬆症予防のための運動として、ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的とされ、軽いダンベルを持ったウォーキングや、ウエイトマシンなどを利用した筋力トレーニングも紹介されています。

ただし、すでに背骨の骨折がある方、心臓や膝に不安のある方は負担になることがあります。始める前にご相談ください。

転倒を減らす工夫

骨折の多くは転倒がきっかけになります。段差や電気コード、滑りやすいマットを片付ける、夜間の明かりを確保する、足に合った靴を履く、といった見直しはすぐに始められます。ふらつきの原因になるお薬もあるため、お薬手帳をお持ちください。喫煙や過度の飲酒も骨に影響するため、禁煙という治療。やめると体はどう変わるかもあわせてご覧ください。

当院での対応

当院では内科で、骨折の経験や身長の変化、生活習慣、服用中のお薬をうかがい、必要に応じて血液検査などをご案内します。お電話でご確認ください。

診療時間は午前9:00〜11:30(水曜・土曜は9:00〜12:30)、午後14:00〜17:30で、水曜午後・土曜午後・日曜・祝日は休診です。詳しくは内科のページ、健康診断のページ、検査・設備のページをご覧ください。はじめて受診される方は初めての方へもご確認ください。

参考文献(最終確認:2026年7月)

ガイドライン・診断基準・制度は改訂されます。数値や区分は上記の一次情報で最新の内容をご確認ください。

この記事は一般的な医学情報をお伝えするものです。検査値の解釈や治療の方針は、他の検査結果・持病・服用中のお薬によって一人ひとり異なります。記事の内容だけで判断せず、当院またはかかりつけの医療機関にご相談ください。体重の変化や疲れやすさが続く場合は甲状腺の病気。疲れやすさ・体重変化のサインもあわせてご覧ください。

院長 杉浦 敏昭
Supervisor 監修:院長 杉浦 敏昭

医療法人 新治診療所 院長。日本消化器病学会 専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医。茨城県土浦市下坂田で、内科・小児科・胃腸科の診療にあたっています。わかりやすい説明を心がけ、地域のかかりつけ医として健康維持をお手伝いしています。

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