こどもの予防接種スケジュール。全体像を把握する
こどもの予防接種は種類が多く、生後2か月から立て続けに始まります。個々の月齢を暗記するより、全体像と変わりにくい原則を押さえるほうが実務的です。全体の見取り図と、迷ったときの考え方を整理します。
まず結論:一覧で全体像、詳細は最新のスケジュール表で
対象年齢・回数・間隔は、法令や実施要領の改正でしばしば変わります。「どのワクチンがあるか」は一覧で把握し、「いつ何回受けるか」はその時点の最新のスケジュール表で確認するのが確実です。
- 母子健康手帳の接種記録を、受診のたびに持ち歩く
- 市から届いた予診票・接種券をまとめて保管する
- 次に受けるワクチンを、接種のたびに医師と確認する
制度改正についてのご注意
予防接種の対象・回数・費用は、制度改正により変更される場合があります。本記事は2026年7月時点の公表情報に基づいています。厚生労働省・日本小児科学会・土浦市の案内で最新の情報をご確認ください。定期接種と任意接種の違い
予防接種法に基づいて市町村が実施するものが定期接種、それ以外が任意接種です。定期接種は対象疾病がA類とB類に分けられています。厚生労働省は、A類疾病の予防接種は対象者全員が受けるべき予防接種で、お住まいの市町村内で受ける場合は公費で接種が受けられると説明しています。B類疾病は、費用の一部に公費負担がある場合があるとされています。こどもの定期接種は、おおむねA類にあたります。
また、定期接種等によって健康被害が生じた場合に医療費や障害年金等を給付する救済制度があります。任意接種は自費となり扱いが異なります。
定期接種に含まれる主なワクチン
厚生労働省が定期接種として案内しているワクチンと、接種を始める時期の目安です。
| ワクチン | 標準的に接種を始める時期の目安 |
|---|---|
| ロタウイルス | 生後2か月〜(経口) |
| 5種混合 | 生後2か月〜 |
| こどもの肺炎球菌 | 生後2か月〜 |
| B型肝炎 | 生後2か月〜 |
| BCG | 生後5か月〜 |
| MR(麻しん風しん混合) | 1歳〜、5歳〜 |
| 水痘 | 1歳〜 |
| 日本脳炎 | 3歳〜、9歳 |
| DT(2種混合) | 11歳〜 |
| HPV | 12歳〜 |
5種混合ワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風、不活化ポリオ、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の5つを含み、生後2か月以上生後90か月(7歳6か月)に至るまでの小児が対象とされています。なお4種混合ワクチンは販売終了に伴い、同学会の表から削除されています。
ロタウイルスワクチンは飲むワクチンで、生後6週から接種できますが、初回接種を生後15週以降に受けることは勧められていません。始める時期に上限があるワクチンもあるため、生後2か月の受診は早めにご予定ください。接種により腸重積症のリスクが上昇することが知られています。
最新のスケジュール表はどこで確認するか
月齢ごとの詳しい表は、公的機関・学会の公表資料をご覧いただくのが確実です。日本小児科学会は、推奨するスケジュールと、予定どおり受けられなかった場合のキャッチアップスケジュールを公開しています。
同時接種と接種間隔の原則
ここは改正の影響を受けにくく、覚えておくと役に立ちます。
同時接種の考え方
定期接種実施要領では、2種類以上の予防接種を同時に行う同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされています。混合ワクチンを使う場合は1つのワクチンと数え、同時接種としては扱いません。実施の可否は、その日の体調と接種歴をふまえた判断になります。
異なるワクチンの接種間隔
厚生労働省の案内によると、注射生ワクチンから次の注射生ワクチンの接種を受けるまでは27日以上の間隔をおくこととされています。それ以外の組み合わせでは、前のワクチン接種からの間隔にかかわらず、医師が認める場合に次の接種を受けることができます。ただし同じ種類のワクチンを複数回受ける場合は、ワクチンごとに決められた間隔を守る必要があります。前回の接種日がわかるよう、母子健康手帳をお持ちください。
スケジュールが遅れたときの考え方
体調不良や入院が続き、予定どおりに進まないことはよくあります。その場合も、途中まで受けた分をやり直す必要は通常ありません。残りの回数を、決められた間隔を守りながら進める形になります。日本小児科学会のキャッチアップスケジュールが目安になります。
また定期接種実施要領では、長期にわたる療養など特別の事情で定期接種を受けられなかったと認められる場合、その事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間に接種できる旨が定められています(高齢者の肺炎球菌感染症・帯状疱疹は1年)。対象期間を過ぎると自費になる場合がありますので、早めにご相談ください。
接種当日までの準備と、当院でのご相談
厚生労働省は、予防接種は体調が良いときに受けるのが原則としています。受ける前にワクチンの種類や時期を確認し、メリットや副反応を接種医と相談しておくことが勧められています。接種後はしばらく医療機関にとどまり、体調に変わりがないことを確認してから帰宅しましょう。明らかな発熱のある方や重い急性疾患にかかっている方などは、接種することができません。
当院は小児科を診療科目としており、お子さまの予防接種に対応しています。母子健康手帳で記録を確認しながら、次に受けるワクチンと時期をご案内します。予防接種のページ、小児科のページ、内科のページ、初めての方へもご覧ください。
参考文献
- 厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html - 厚生労働省「予防接種に関するよくある質問」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kihonteki_keikaku/index_00001.html - 厚生労働省「定期接種実施要領」
https://www.mhlw.go.jp/content/001471610.pdf - 厚生労働省「異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールが一部変更されます」
https://www.mhlw.go.jp/content/000674724.pdf - 厚生労働省「5種混合ワクチン」/「ロタウイルスワクチン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/dpt-ipv-hib/index.html - 日本小児科学会「予防接種スケジュール/キャッチアップスケジュール」
https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/20138.html
本文中の区分・年齢・間隔は上記資料の公表内容に基づいています(2026年7月時点)。予防接種の制度は改正されますので、必ず最新の情報をご確認ください。
この記事は一般的な医学情報をお伝えするものです。接種の可否や順番は、お子さまの体調・基礎疾患・接種歴によって判断が変わります。記事の内容だけで判断せず、当院またはかかりつけの医療機関にご相談ください。インフルエンザ予防接種、受けるベストな時期はいつ?、熱性けいれんが起きたとき、どうすればよいかもあわせてご覧ください。
医療法人 新治診療所 院長。日本消化器病学会 専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医。茨城県土浦市下坂田で、内科・小児科・胃腸科の診療にあたっています。わかりやすい説明を心がけ、地域のかかりつけ医として健康維持をお手伝いしています。
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