茨城県土浦市下坂田2013-1 常磐道 土浦北IC近く/駐車場完備
診療時間 9:00–11:30(水・土は12:30まで)/ 14:00–17:30 休診:水午後・土午後・日・祝
内科・生活習慣病

高血圧を治療する理由と、下げ方の考え方

公開日: 更新日: 監修:院長 杉浦 敏昭
減塩を意識した和食の食卓と血圧手帳
写真はイメージです。実装時は具体的な alt テキストを付与します。

健診や外来で「血圧が高い」と言われても、症状がないと治療の必要性は実感しにくいものです。高血圧の治療は、いまの症状を取るために行うものではありません。ここでは血圧を下げる目的と下げ方の考え方を整理します。

まず結論:血圧を下げる目的は、将来の病気を減らすこと

高血圧そのものは、多くの場合ほとんど症状がありません。それでも治療が勧められるのは、血圧が高い状態が続くと脳や心臓、腎臓の病気が起こりやすくなるためです。日本高血圧学会は、収縮期血圧(上の血圧)を10mmHg下げると、脳卒中や心臓病が約20%減少すると示しています。

  • 目的は「数値を下げること」ではなく、将来の病気を減らすこと
  • 生活習慣の見直しが土台で、薬はそれを補うもの
  • 家庭で測った血圧の記録が、判断のいちばんの材料になる

高血圧が体に何をしているか

血圧が高いとは、血管の内側に強い圧力がかかり続けている状態です。長く続くと血管の壁が厚く硬くなり、動脈硬化が進みます。その結果、脳卒中(脳梗塞・脳出血)、心筋梗塞や心不全、腎臓の働きの低下などが起こりやすくなります。

同学会は、国内で高血圧に関連する疾患により年間およそ17万人が亡くなっていると示しています。一方で血圧が目標まで管理できている人の割合は男性で24%、女性で29%とされており、改善の余地が残されています。

高血圧と判断される値と、治療で目指す値

「高血圧と診断される値」と「治療で目指す値」は別のものです。混同すると、目標が実際より緩くも厳しくも見えてしまいます。

高血圧と判断される値

診察室で測った血圧が140/90mmHg以上、家庭で測った血圧が135/85mmHg以上の場合に高血圧とされます。この値は2025年に発刊された現行のガイドラインでも据え置かれました。一方で、120/80mmHg以上のすべての方が血圧管理の対象と位置づけられています。

治療で目指す値(降圧目標)

2025年の改訂で、降圧目標は原則として全年齢で統一されました。

※日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」に基づく原則的な降圧目標です。実際の目標は個別に判断されます。
測定場所原則的な降圧目標
診察室で測った血圧130/80mmHg未満
家庭で測った血圧125/75mmHg未満

従来は75歳以上の方や一部の病気がある方に140/90mmHg未満という別の目標が設けられていましたが、この区別は撤廃されました。ただし実際の目標は、年齢・持病・ふらつきなど体の反応をふまえて一人ひとり決めるものです。診断基準や目標値はガイドラインの改訂により変更される場合がありますので、現在の考え方は診察時にご確認ください。

下げ方の考え方(1)生活習慣の見直しが土台

ガイドラインでは、生活習慣の修正項目として次の6つが挙げられています。薬を使う場合も、この土台は変わりません。

  • 食塩を1日6g未満に抑える
  • 野菜・果物を積極的にとる
  • 適正体重の維持:BMI 25未満を目指す
  • 速歩などの有酸素運動を、毎日30分以上を目標に定期的に行う
  • 節酒:エタノール量で男性は1日20〜30mL以下、女性は10〜20mL以下
  • 禁煙し、受動喫煙も避ける

ただし腎臓の病気などでカリウムや水分の制限がある方は、野菜・果物の摂取について自己判断せず医師にご確認ください。

減塩を行動に落とす

6g未満という数字は、行動に置き換えると取り組みやすくなります。汁物を1日1杯までにする、麺類のスープを飲み切らない、卓上の調味料を控える、漬物や加工食品の頻度を見直す、といった順が続けやすいでしょう。だし・酢・香辛料・柑橘を使うと、塩を減らしても物足りなさが出にくくなります。

体重・運動・お酒・たばこ

体重が減ると血圧も下がりやすくなります。まず毎日体重を測り、増減の傾向をつかむところから始めます。運動は速歩などの有酸素運動が中心で、毎日30分以上が目標とされますが、まとまった時間が取れない場合は分けて行っても構いません。持病がある方、これまで運動習慣がなかった方は、始める前にご相談ください。

下げ方の考え方(2)薬を使う場合

生活習慣の見直しだけで目標に届かない場合や、血圧の値が高く早めの対応が望ましい場合には、薬による治療を組み合わせます。降圧薬にはカルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、ACE阻害薬、サイアザイド系利尿薬、β遮断薬などの系統があり、年齢・腎臓の状態・ほかの持病などをふまえて選択されます。

薬を始めると「一生やめられないのでは」と心配される方がいます。実際には、生活習慣の改善が進んで血圧が安定すれば、量や種類を見直すこともあります。ただし自己判断での中断は血圧の急な上昇につながるため、減らしたいときは必ずご相談ください。

治療を続けるためにできること

高血圧の治療は長い付き合いです。続けるうえで役に立つのは、記録と無理のない目標設定です。

  • 家庭血圧は朝と晩に測り、高い値だけでなくすべて記録する
  • 体重も同じノートに書き、血圧との関係を見る
  • 生活習慣は一度に全部変えず、続けられる1つから始める

強い頭痛、胸の痛み、手足に力が入らない、言葉が出にくいといった症状があるときは、様子をみずにすぐ医療機関を受診してください。

当院での対応

当院では内科で高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の継続管理を行っています。家庭血圧の記録をお持ちいただければ、現在の状態を確認し、生活習慣の見直し方や検査の必要性をご説明します。必要に応じて血液検査、超音波検査、血管年齢測定などをご案内します。

診療時間は午前9:00〜11:30(水曜・土曜は9:00〜12:30)、午後14:00〜17:30で、水曜午後・土曜午後・日曜・祝日は休診です。くわしくは内科のページ、健康診断のページ、検査・設備のページをご覧ください。はじめて受診される方は初めての方へ、健診で「血圧が高め」と言われた段階の方は健診で「血圧が高め」と言われたらもご覧ください。

参考文献

  • 日本高血圧学会「高血圧の10のファクト〜国民の皆さんへ〜」(高血圧管理・治療ガイドライン2025に基づく)
    https://www.jpnsh.jp/10_facts.html
  • 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」(2025年8月発刊。ガイドライン情報は同学会サイト)
    https://www.jpnsh.jp/guideline.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
    https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html
  • 日本医師会 かかりつけ医機能研修制度 令和6年度応用研修会「かかりつけ医の高血圧症管理 〜ガイドラインに基いた診療〜」(生活習慣の修正項目・主要降圧薬の分類)
    https://www.med.or.jp/dl-med/jma/nichii/zaitaku/2024kakari/2024kakari_06.pdf
本記事の数値・基準は上記資料の記載に基づいています(最終確認:2026年7月)。診断基準・目標値はガイドラインの改訂により変更される場合があります。現時点の情報は各資料および診察時にご確認ください。

この記事は一般的な医学情報をお伝えするものであり、診断・治療の代替となるものではありません。検査値の意味づけや目標とする数値、必要な治療は、年齢・持病・体質によって一人ひとり異なります。記事の内容だけで判断せず、当院またはかかりつけの医療機関にご相談ください。

院長 杉浦 敏昭
Supervisor 監修:院長 杉浦 敏昭

医療法人 新治診療所 院長。日本消化器病学会 専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医。茨城県土浦市下坂田で、内科・小児科・胃腸科の診療にあたっています。わかりやすい説明を心がけ、地域のかかりつけ医として健康維持をお手伝いしています。

院長・医院紹介を見る
Contact

気になる症状は、
どうぞお気軽にご相談ください。

診療・検査のご予約、受診についてのご相談を承っています。